昼から「朝」へはずす
観光客ゼロ。午前6時の清水寺の舞台
私は頑なに、定番の名所・旧跡をはずせ、とは言いません。それなりの魅力があるからこそ、多くの人に支持されているのですから。定番の観光スポットに行くなら、昼から朝へ時間をはずすのがコツです。京都のみどころは、ズバリ午前6時に光輝く。昼間の観光名所はどこも、人や車で混雑していて、お土産を売る店がやたら多くて騒がしくて、暑くて疲れて、、、。肝腎の寺社や背景となる自然の輪郭がぼやけてしまいます。早朝こそ、名所がストレートに五感に訴えかけてくるのです。
午前6時20分の三年坂。観光客ゼロ。
私は、親戚・友人の所望で、清水寺へ引率するときは、前夜の飲み過ぎに注意して、午前6時の現地到着を目指します。1昨年の9月の参拝の折には、拝観者として3番目。あの清水の舞台には、修学旅行の中学生が数人記念写真を摂っている以外は、私たちだけでした。奥ノ院、成就院など境内全体が視界におさまり、このお寺の少し複雑な骨格をはっきりとつかむことができました。帰り道の三年坂から高台寺にかけてのお土産屋が連なる道、八坂神社から花見小路までの繁華街は店のシャッターが閉まり、人影もないので、通りや町の本来のたたずまいを見ることができます。ゴチャゴチャ感が一掃されると、町はここまで美しくなるのかと、感心することしきりでした。観光ガイドで盛んに紹介される有名どころを見たいのなら、早朝に限ります。
そして早朝拝観できる寺社は、実は結構あるのです。参考までに、開門時間が早い順にいくつか挙げておきましょう(表1)。
旅館なら朝食は後回しにして、起き抜けに、さっさと出かけてみましょう。そうすれば定番の名所が、そうだ京都へ行こう!のポスターさながらに、クリアに迫ってきます。しかも貸し切り状態で。
■表1 早朝から拝観できる人気寺社
拝観開始時間 | 寺社名 |
終日 | 伏見稲荷大社 |
5:00~ | 東寺
北野天満宮(11~2月は5:30~) |
5:30~ | 西本願寺(11~2月は6:00~) |
5:50~ | 東本願寺(11~2月は6:20~) |
6:00~ | 平安神宮、清水寺、法然院、六角堂、 |
6:30~ | 下鴨神社 |
8:30~ | 天龍寺 |
8:40~ | 南禅寺 |
(2017年11月23日)