「人付き合いの習慣」を支える住まい
人付き合いの習慣づけは、暮らしの器となる住まいという土台がしっかりしていないと難しい。では、どのような住まいが望ましいのでしょうか?
来客などの人付き合いがしやすい住まいについて、私なりの提案をご説明します。
一番いいところを自分の居場所にする
日当たり、風通しが良くて、一番居心地の良い場所を、自分の居場所と決めましょう。老化第二段階に入ると、室内にいる時間が増します。気分良く暮らせるか否かは心身に大きく影響します。老化第三段階に入り、通院以外は家にとじこもりがちになったときは、なおさらです。
座りここちの良い椅子とテーブル、良く使う身の回りの大切な物、たとえば、メガネ、財布、スマホ、預金通帳などを収納する棚も近くに配置する。その棚には、思い出の写真や趣味の物を飾りましょう。
さらに、気分良く過ごせる居場所は、意識的に外を歩くご近所さんから見える位置に設けることがの望ましいでしょう。なぜなら、いつもの場所に居れば、おはよう、こんにちはと外から声がかけやすく、あいさつをきっかけに、世間話や体調についてのやりとりができるからです。これが自然なご近所さんとの付き合いです。またいつもの居場所にいないことが続くと、ご近所さんが異変を察知することができます。
住まいを外に向けて開く
加えて、気軽にご近所さんが訪ねてきて、お茶でも飲みながら世間話ができるスペースも欲しいものです。必ずしも家の中である必要はありません。リビングルームの外側、雨に濡れない軒下に椅子とテーブルを置くといった対処の仕方もあります。玄関が広めであれば、そこに椅子を置いてちょっとした接客スペースをつくる、という方法もあります。
現代の住まいはプライバシーを重視するため、閉鎖的な造りが一般的ですが、、最期まで自宅を貫くなら、敢えて住まいを外へ開き、ご近所とのつながりを保ったほうが良いでしょう。
(2018年1月5日)