空き家対策の選択肢は4つ
誰も住まなくなった親の家。すぐに処分するのは世間体が悪い、何より実家がなくなるのは寂しい等々。色々な思いが錯綜して、ずるずると空き家のまま。気持ちは良く分かります。
でも、親の家は大事な社会資源という面を持っています。そこで親のをは手放すのではなく、次の世代にバトンタッチして有効に活用してもらう。と発想の転換してみてはいかがでしょうか。家を必要とする若い家族に住んでもらい、幸せに暮らしてもらうことで、親も家も浮かばれるというものです。
では、どのような利活用の方法があるのでしょうか。
主に4つの選択肢があげられます。
1、自分で使う 自宅、別荘、倉庫
子が今まで住んでいた自宅を処分して、親の家に移り住む。子の自宅に住み続けながら、親の家を別荘として使う。モノを置く倉庫として使う。
2、「使わない」 ①売る ②貸す ③持っているだけ
①売る
住まない家はどんどん傷むので、できるだけ早く売る。築20年超の一戸建ては、建物の評価が0ということもある。相当手をいれなければ住めない古い家は中古住宅ではなく「古家付き土地」あるいは、建物を取り壊して「土地」として売ることも。
②貸す
・「借家」 借家として人に貸す。ただし、築15年超の家の水回り設備(台所、洗面所、浴室)は交換する必要がある。また床・壁の張り替え、建具の入れ替えなどが必要なこと
も。こうしたリフォームには約150万円の費用がかかり、賃料で回収することができないケースも多い
・「更地」 建物を取り壊して更地にする。駐車場、資材置き場、貸農園などなるべく手のかからない方法で貸す
・「アパート・マンション・オフィス経営」 人が多く集まる好立地であることが必須条件。建物の建設資金は高額になるため、銀行からの借入など資金調達力が必要。また、不動産 ビジネスについての知見がなければ、経営は難しい
③「持っているだけ」 自分では使わないけれど、他の人とに売る、貸すなど世間体が悪いので、単に空き家として保有しておく。空き家といえども、持ち主には保全の義務が伴う。周 囲の環境を悪化しないよう、維持・管理のために固定資産税を含め約50万円の費用がかかる
3、寄付する
自治体は主に道路など公共的利用が可能な土地の寄付しか受けないので、可能性は低い
4、相続放棄
親の家の相続を放棄する場合、現金など他の遺産の相続も放棄しなければならない。加えて他の相続人の承諾も必要。
これらの選択肢を比較検討すると、不動産の知識がない素人にとって、一番スムースな選択肢は「売る」ではないでしょうか?
ただし、これはあくまでも一般的な選択肢です。親の家の立地、広さ等々、親の家の概要により、現実的な選択肢は絞られてきます。
次回は、親の家の不動産としての価値を整理しつつ、より具体的な利活用方法の絞り込み方についてご説明します。
*図は不動産ジャパンより転載
(2018年1月13日)