発展する街は「多様な人が集まる」ところ
住む人中心の街と多様な人が集まる街とを比べると、多様な人の集まるところのほうが、資産価値は高い、と見ることができます。何故、そうなのかをご説明します。
多様なひとが集まる街は「昼間人口」が多い
まず、住む人中心の街か、多様な人が集まる街かは「昼夜間人口」で見分けます。より分かりやすくする指標として昼夜間人口指数(昼間人口数÷夜間人口数×100)があります。昼間の人口が夜間の人口より少なければ、昼間人口指数は低くなります。住む人中心の街はこれに該当します住むという機能中心の街は住宅とそこで生活する人のための生活利便施設が中心となるため、オフィスや学校などはそれほど多くはありません。したがって毎朝、通勤・通学などで多くの住民が他地域へ出ていく一方で、働く、学ぶ、遊ぶために他地域から訪れる人も少ないため、昼間の人口が少なくなるのです。代表的な街として、多摩ニュータウンの諏訪町が挙げられます。
多様な人が集まる街とは、昼間人口指数が高い街です。こうした街はオフィス、商業施設、学校などいろいろな機能が重層しています。職・学住近接が可能なので、地元にとどまる人も多数います。一方、他地域から通勤、通学、ショッピングなどで訪れる人も多く、昼間にぎわう街です。そして資産価値が期待できるのは、昼間人口指数の高い街です。代表的なところでは、住んでみたい街として人気の高い、吉祥寺が挙げられます。
ここで、諏訪町と吉祥寺の昼間人口指数を比較してみましょう。
諏訪1丁目 59、諏訪2丁目 55
吉祥寺1丁目 901 吉祥寺2丁目305
吉祥寺のほうが、圧倒的に昼間人口指数が高いことが分かります。
諏訪町を代表とする郊外に多く存在するニュータウンは、住む人中心につくられた街です。住民の高齢化により住む人が減っていきます。それにあわせて住む人相手の買い物施設や病院、小学校なども減ってきます。新たに家を求める若い世代はこうした不便になるところより、便利な所に住もうとするので、新住民の転入は期待できません。こうした悪循環により街は衰退していき、資産価値は下落していくのです。
住んでみたい街ランキング上位のところは昼間人口指数が高い
一方多様な人が集まる街の代表格吉祥寺は、百貨店、ファッションビル、美術館、飲食街、商店街、オフィス、などと住宅地が併存する地域です。働く、学ぶ、遊ぶ、買うなど色々な目的で、老若男女、学生、ビジネスマン等々多様なひとが集まる街なのです。こうして集まってきた人たちのなかから、ここに住むという人が出現し、夜間人口(居住人口)も増えていきます。人口が増えれば、さらにオフィス・商業施設は大規模化し、教育・医療機関は高度化していき、街はますます発展していくことになります。これがまた新たな人を集めるという好循環になり、資産価値は高まっていくのです。
では吉祥寺以外に、昼間人口指数が高い街ってどんなところ?か気になりますね。
実は、時々公表されている「住んでみたい街ランキング」で上位に登場するところは、昼間人口指数が高い傾向にあります。
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関東圏 |
昼間人口指数 |
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関西圏 |
昼間人口指数 |
1位 |
恵比寿 |
恵比寿南1丁目 932.9 |
1位 |
西宮北口 |
西宮市 89.2 |
2位 |
吉祥寺 |
吉祥寺本町1丁目 901 |
2位 |
梅田 |
大阪市北区 346.7 |
3位 |
横浜 |
西区 179.7 |
3位 |
神戸三宮 |
神戸市中央区 219.1 |
ここまでずっと、昼間人口指数について、ご説明してきましたが、最後にひとつ。夜間人口数((居住者人口数)が極端に少ないところは、昼間人口指数が突出して高くなります。大企業のオフィスが集中する丸の内や大手町などです。ちなみに、丸の内の昼間人口指数は38万4714.8と、驚異的な高さですが、夜間人口はたったの27人です。こうしたところは、働く人向けの機能しかないので、人が暮らすには不向きな立地です。
(2017年11月17日)
『最期まで自宅』で暮らす60代からの覚悟と準備
最期まで自宅で暮らすことを望む人は多数いますが、実際には日本人の1割しか、その望みを果たせていません。
では、どうすればよいのでしょうか?
本書は、まず自宅暮らしができなくなる自立限界点に達するまでの、老化の進行段階を解明しています。そのうえで、自立限界点の手前で踏みとどまるための実践方法を、4つ提案しています。
①何としても自立限界点を超えない覚悟をする
②3つの習慣「家事」「人付き合い」「運動」を実践する
③便利で安全に暮らすために早めに住まいを変える
④地域のつながり、身近な行政を自分の味方につける
自分の老いを直視しながら、自分らしく自立した暮らしを長く続けたい方にとって、役に立つ実用的な内容になっています。
2020年1月20日発行 主婦の友社 定価1500円
(講演予定)
2018年2月18日午後1時30分~2時30分 大分市「どうする?親の家の空き家問題」
2018年2月19日午前10時~11時 竹田市「どうする?親の家の空き家問題」
(最近のメディア掲載実績)
2021年2月12日号 週刊現代「安易に家を売って、」知らない土地に行かないほうがいい」
2020年10月23日号 週刊朝日 「空き家の守り方」
2020年4月2日号 女性セブン 「60才を過ぎたら住み慣れた自宅を売ってはいけない」
2020年2月22・29日号 週刊現代「最後まで自宅を売ってはいけない」
2020年2月14日号 週刊朝日 「コスパで選ぶ『終の棲家』
2019年11月23日 NIKKEIプラス 「暮らし探検隊 空き家の片付け手伝ってみた」
2019年4月5日号 週刊朝日 「高齢者でもはじめられる元を取るリフォーム術」
2019年2月号 ハレヤカ 「最後まで自宅でひとり」を貫くための住まいと暮らし
第3回
2019年1月29日号 住宅新報 「ひとり暮らしを創造する下 親が60歳台から家族で片付け」
2019年1月22日号 住宅新報 「ひとり暮らしを創造する中 『家事』『人付き合い』『運動』を促す家に」
2019年1月15日号 住宅新報 「ひとり暮らしを創造する上 良質なコミュニティで “自由”を謳歌」
2018年12月20日 夕刊フジ 「定年後難民にならない生き方 空き家になった親の家 どうする」
2018年11月号 エクラ 「夫の定年 人生どう変わる? 住まい編」
2018年12月号 ハレヤカ「最後まで自宅でひとり」を貫くための住まいと暮らし
第2回
2018年10月号 ハレヤカ 「最後まで自宅でひとり」を貫くための住まいと暮らし
第1回
2017年夏号 マンションスタイル 「資産活用研究所 『これから賃貸を考える人が知っておきたいこととは?』」
2017年11月24日号 週刊朝日「最期まで自宅でひとりを貫くためにするべきこと」
2017年11月10日号 週刊朝日「老化に負けない家事術」
2017年11月号 月刊ビッグ・トゥモロウ「住み続けても人に貸しても資産価値が上がる住居の選び方」
2017年10月27日号 週刊朝日 「外しの京都」
2016年10月14日号 週刊朝日 実家の持ち家は“ヤバイ”
2016年8月13.20合併号週刊ダイヤモンド「実家の大問題」
2016年7月23日・30日・8月6日 朝日新聞 be 知っ得なっ得 空家の相続1・2・3
2016年7月18日号 週刊住宅 2015年度「首都圏優秀マンション表彰」
2016年3月31日 リーフィアな暮らし マンションライフの魅力を探る
2015年6月27日号 週刊ダイヤモンド 「ライフスタイルに合った住まい選び」
(最近のTV・セミナー・シンポジウム出演)
2017年10月21日 三菱地所レジデンシャル・住まいカレッジ トークセッション「三菱地所のものづくりのこだわりについて」
2017年3月29日、4月15日 3住み推進研究会主催シンポジウム「変わる家族と住まいのかたち」
2017年2月3日 RJC新春トップセミナー 「どうする?親の家の空家対策」
2017年1月10日 NHKクローズアップ現代「モノ屋敷の実家は宝の山 転売で解決 人生のお片付け」