60代からのシェアハウス
ひとり暮らしの高齢者が増えています。ずっと未婚、熟年離婚、伴侶の死と理由は様々ですが、ひとり暮らしの不安は共通しています。
身近なところに生活相談をする人がいない、万一のとき見守って手をさしのべてくれる人がいない。
そんなひとり暮らしの不安を解消してくれる住まいのひとつに、シェアハウスがあります。
シェアハウスは若い人限定の住まいだと思っている方も多いでしょう。ところが、最近になって、シニアでも入居できるシェアハウスが散見されるよになってきました。タイプは2つ。1つは入居者の年齢を問わない多世代型、もうひとつは、60歳、65歳以上というように年齢を制限する高齢者専用型。
自立した暮らしができることが前提で、介護が必要になったら退居、という条件のものが主流ですが、最近では介護が必要になったらケアマネージャーへを紹介してくれるシェアハウスも登場しています。
住宅の形態としては、ビル、マンション、社員寮などを改装したもの以外に、最近は一戸建ても増えています。増える空き家対策の一環として、一戸建てをシェアハウスに用途転用する動きが活発化している、というのが背景にあります。
気になる家賃や間取り・広さはどうでしょうか?調布にある元独身寮をリノベーションしたシェアハウスを参考例として見てみましょう。こちらは、多世代型のシェアハウスで要介護の人でも入居できます。現在20~80代の方が暮らしているとのことです。
つつじが丘駅から徒歩6分。新宿までは京王線で18分。各居室の広さは12㎡。エアコン・収納・天袋・天井照明・TVジャックがあり、各部屋に三口コンセントが2つ。部屋に入りきらないものは屋外倉庫も活用できます。引っ越しや不用品の売却処分にも対応するそうです。
共用施設としては、オートロックの玄関、リビングスペースは約20畳。そのリビングスペースには大型テレビや囲碁・将棋が楽しめる座敷和室が。古材を生かし、職人が手作りした8名座れるダイニングテーブルやキッチンからカウンター越しに話せる座席などが利用できます。ウッドデッキも用意されていて、いろいろなところに自分の居場所が持てそうです。
お風呂は最大8名がいちどきに入れる大きさです。なかなか豊かな居住空間といえましょう。
気になる費用ですが、初期費用と毎月かかる費用があります。
1、初期費用
自立者と介護者に分かれています。
■自立者
契約金(礼金)賃料の3か月(2か月)契約手数料 30000円 住宅火災保険 8700円 賃料 標準賃料 再契約(1年ごと)賃料の1か月(8000円)*カッコ内は期間限定のキャンペーン価格
■介護者(標準プラン)
契約金(礼金)98万円 契約手数料 0円 住宅火災保険 8700円 賃料 標準賃料 再契約 0円
自立者から介護者になった場合、申し込み費用の差額を支払う。必要に応じて、提携病院、訪問診察、訪問介護などを提供してくれる。高齢者見守りセンサーもある。
2、毎月かかる費用
家賃、共益費等です。
家賃 5万2000円(2階の居室)~60000円(1階のガーデン付き居室)共益費15000円。内訳は電気・ガス・水道、トイレットペーパー、食器洗剤、大浴場使用料、wifi使用料 管理費5000円 若者応援10000円(60歳以上)
こうして見ていくと、高齢者がシェアハウスに暮らす利点は、初期費用はかかるものの、毎月の家賃は5万円台と低価格。入居者同士で見守りができて孤立せず安心。趣味が合う入居者仲間がいれば、生活に張りができる。老人ホームとは異なり、暮らしにかかわることは自分でやるため、老化が遅く、何より自由。ただし、共同生活に求められるのは、協調性、常識、他者への思いやり。これが身についていないと難しいかもしれません。
とはいえ、シェアハウスは、ひとり暮らしのシニアの住まいとして、有力な選択肢といえそうです。
2019年2月26日
『最期まで自宅』で暮らす60代からの覚悟と準備
最期まで自宅で暮らすことを望む人は多数いますが、実際には日本人の1割しか、その望みを果たせていません。
では、どうすればよいのでしょうか?
本書は、まず自宅暮らしができなくなる自立限界点に達するまでの、老化の進行段階を解明しています。そのうえで、自立限界点の手前で踏みとどまるための実践方法を、4つ提案しています。
①何としても自立限界点を超えない覚悟をする
②3つの習慣「家事」「人付き合い」「運動」を実践する
③便利で安全に暮らすために早めに住まいを変える
④地域のつながり、身近な行政を自分の味方につける
自分の老いを直視しながら、自分らしく自立した暮らしを長く続けたい方にとって、役に立つ実用的な内容になっています。
2020年1月20日発行 主婦の友社 定価1500円
(講演予定)
2018年2月18日午後1時30分~2時30分 大分市「どうする?親の家の空き家問題」
2018年2月19日午前10時~11時 竹田市「どうする?親の家の空き家問題」
(最近のメディア掲載実績)
2021年2月12日号 週刊現代「安易に家を売って、」知らない土地に行かないほうがいい」
2020年10月23日号 週刊朝日 「空き家の守り方」
2020年4月2日号 女性セブン 「60才を過ぎたら住み慣れた自宅を売ってはいけない」
2020年2月22・29日号 週刊現代「最後まで自宅を売ってはいけない」
2020年2月14日号 週刊朝日 「コスパで選ぶ『終の棲家』
2019年11月23日 NIKKEIプラス 「暮らし探検隊 空き家の片付け手伝ってみた」
2019年4月5日号 週刊朝日 「高齢者でもはじめられる元を取るリフォーム術」
2019年2月号 ハレヤカ 「最後まで自宅でひとり」を貫くための住まいと暮らし
第3回
2019年1月29日号 住宅新報 「ひとり暮らしを創造する下 親が60歳台から家族で片付け」
2019年1月22日号 住宅新報 「ひとり暮らしを創造する中 『家事』『人付き合い』『運動』を促す家に」
2019年1月15日号 住宅新報 「ひとり暮らしを創造する上 良質なコミュニティで “自由”を謳歌」
2018年12月20日 夕刊フジ 「定年後難民にならない生き方 空き家になった親の家 どうする」
2018年11月号 エクラ 「夫の定年 人生どう変わる? 住まい編」
2018年12月号 ハレヤカ「最後まで自宅でひとり」を貫くための住まいと暮らし
第2回
2018年10月号 ハレヤカ 「最後まで自宅でひとり」を貫くための住まいと暮らし
第1回
2017年夏号 マンションスタイル 「資産活用研究所 『これから賃貸を考える人が知っておきたいこととは?』」
2017年11月24日号 週刊朝日「最期まで自宅でひとりを貫くためにするべきこと」
2017年11月10日号 週刊朝日「老化に負けない家事術」
2017年11月号 月刊ビッグ・トゥモロウ「住み続けても人に貸しても資産価値が上がる住居の選び方」
2017年10月27日号 週刊朝日 「外しの京都」
2016年10月14日号 週刊朝日 実家の持ち家は“ヤバイ”
2016年8月13.20合併号週刊ダイヤモンド「実家の大問題」
2016年7月23日・30日・8月6日 朝日新聞 be 知っ得なっ得 空家の相続1・2・3
2016年7月18日号 週刊住宅 2015年度「首都圏優秀マンション表彰」
2016年3月31日 リーフィアな暮らし マンションライフの魅力を探る
2015年6月27日号 週刊ダイヤモンド 「ライフスタイルに合った住まい選び」
(最近のTV・セミナー・シンポジウム出演)
2017年10月21日 三菱地所レジデンシャル・住まいカレッジ トークセッション「三菱地所のものづくりのこだわりについて」
2017年3月29日、4月15日 3住み推進研究会主催シンポジウム「変わる家族と住まいのかたち」
2017年2月3日 RJC新春トップセミナー 「どうする?親の家の空家対策」
2017年1月10日 NHKクローズアップ現代「モノ屋敷の実家は宝の山 転売で解決 人生のお片付け」